マンションの窓ガラスが割れたら誰が直す?費用負担のルール

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マンションの大きな窓と室内 生活
窓ガラスが割れてしまった。
マンションだと、まず「これは自分で直すの?管理組合が直してくれるの?」で迷いますよね。
結論からお伝えします。
窓ガラスも窓枠も「共用部分」ですが、割れたときの入れ替えは、原則としてその住戸の人の負担です。
ただし、割れた原因によっては管理組合の負担になります。
この記事では、国土交通省のマンション標準管理規約(令和7年10月改正版)をもとに、どの場合に誰が払うのかを整理しました。
※内容は2026年9月時点のものです。

窓ガラスと窓枠は「共用部分」です

意外に思われるかもしれませんが、窓は自分の持ち物ではありません。
標準管理規約では、専有部分の範囲について、はっきりこう書かれています。

三 窓枠及び窓ガラスは、専有部分に含まれないものとする。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正)第7条第2項

専有部分に含まれないものは、共用部分として扱われます。
そのうえで、その住戸の人だけが使える「専用使用権」が認められています(第14条・別表第4)。
場所 区分 専用使用権
窓ガラス・窓枠(サッシ) 共用部分 あり
玄関扉(錠と内側の塗装は専有部分) 共用部分 あり
バルコニー 共用部分 あり
玄関前の廊下 共用部分 なし
室内の壁紙・床の仕上げ 専有部分 —
「共用部分だけれど、自分だけが使える場所」。
バルコニーとまったく同じ位置づけです。
→ マンションのバルコニーは誰のもの?物置がダメな理由

割れたときの入れ替えは、原則として自分の負担

費用は誰が負担するか

共用部分の管理は、管理組合の責任と負担で行うのが原則です(第21条第1項)。
ところが、その条文にはただし書きが付いています。

ただし、バルコニー等の保存行為のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正)第21条第1項

ここでいう「バルコニー等」には、窓枠・窓ガラスも含まれます(第14条)。
そして「通常の使用に伴う」保存行為が何を指すのかも、解説(コメント)に例示されています。

本条第1項ただし書の「通常の使用に伴う」保存行為とは、バルコニーの清掃や窓ガラスが割れた時の入替え等である。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正)第21条関係コメント④

「窓ガラスが割れた時の入替え」が、名指しで挙がっています。
つまり、原則としては自分で手配して、自分で払うということです。
共用部分なのに自己負担というのは納得しにくいところですが、日々その窓を使っているのは自分だけと考えると、筋は通っています。

ケース別|誰が負担するのか

とはいえ、割れ方は1つではありません。
標準管理規約は、原因によって扱いを分けています。

バルコニー等の破損が第三者による犯罪行為等によることが明らかである場合の保存行為の実施については、通常の使用に伴わないものであるため、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、同居人や賃借人等による破損については、「通常の使用に伴う」ものとして、当該バルコニー等の専用使用権を有する者がその責任と負担において保存行為を行うものとする。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正)第21条関係コメント⑥

ここまでを表にすると、次のようになります。
割れた原因 誰の負担になるか 根拠
自分でぶつけた・家具を当てた 自分 通常の使用に伴うもの
同居する家族が割った 自分 コメント⑥(同居人)
部屋を貸している人が割った 区分所有者 コメント⑥(賃借人)
空き巣に割られた・投石された 管理組合 コメント⑥(第三者の犯罪行為等)
経年劣化(計画修繕の周期どおり) 管理組合 コメント③・⑤
「誰が壊したか」ではなく「通常の使い方の中で起きたことか」が分かれ目です。
家族や借主が割った場合まで自己負担になるのは、その人たちも「その住戸の側の人」だからです。

台風の飛来物で割れたときは?

ここは、標準管理規約に直接の答えが書かれていません。
犯罪行為ではないので、コメント⑥をそのまま当てはめることはできません。
一方で、自分の使い方が原因でもありません。
実務では、管理規約や使用細則に定めがあればそれに従い、なければ管理組合の判断になります。
まずは管理会社に連絡し、どちらの扱いになるかを確認するのが確実です。
あわせて、火災保険の風災の補償が使えることもあります(後述します)。
飛来物を防ぐ備えは、こちらで整理しています。
→ 台風から窓を守る|マンションでできる対策

熱割れ・経年劣化のときは?

ぶつけてもいないのに、ガラスの端から線が入る。
これは熱割れと呼ばれる現象で、日が当たって温まった部分と、サッシに隠れて冷たいままの部分との温度差が原因で起こります。
標準管理規約は、劣化についてこう整理しています。
  • 経年劣化への対応は、管理組合が計画修繕として行うのが原則(コメント③・⑤)
  • ただし、想定より短い期間で、かつほかの住戸と比べて劣化が目立つ場合は、専用使用権を持つ人の負担になりうる(コメント⑤)
熱割れがこのどちらに当たるかは、ガラスの種類・設置の状況・使い方によって判断が分かれます。
自己判断せず、管理会社に状況を伝えて相談するところから始めてください。

割れたら、すぐ直していいのか

割れた窓への応急の手当て

共用部分に手を入れるには、本来理事長への申請と承認が必要です(第21条第3項)。
ただし、割れた窓を放っておくわけにはいきません。
そこで、同じ条文に緊急時の例外が置かれています。

ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正)第21条第3項

この規定が何を想定しているのかも、解説に書かれています。

第3項ただし書は、例えば、台風等で住戸の窓ガラスが割れた場合に、専有部分への雨の吹き込みを防ぐため、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えるというようなケースが該当する。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正)第21条関係コメント⑧

ポイントは「割れたものと同様の仕様」という条件です。
急いでいるからといって、種類の違うガラスに変えていいわけではありません。
外から見える姿が変わるものや、防犯・断熱の性能を上げるものは、この例外には当てはまらないと考えるのが自然です。

割れたときにやること|順番

あわてて業者を呼ぶ前に、この順番で進めると後の話が早く済みます。
  1. けがを防ぐ。破片に触れず、人やペットを近づけない
  2. 写真を撮る。直す前の状態を、全体と近くの両方で残す
  3. 管理会社(または管理組合)に連絡する。原因・時刻・状況を伝える
  4. 応急処置をする。雨や風が入るなら、同じ仕様のガラスへの入れ替えまでは可能(コメント⑧)
  5. 費用の扱いを確認する。自己負担か組合負担かを、直す前に聞いておく
  6. 見積もりを取る。管理会社に指定の業者がある場合も多い
いちばん大切なのは、2番の写真です。
直したあとでは、原因の説明がどうしても弱くなります。
保険を使うときにも、この写真が判断の材料になります。

火災保険が使えることがあります

窓ガラスの破損は、火災保険の対象になる場合があります。
  • 台風・強風での飛来物 → 風災の補償
  • 空き巣による破損 → 盗難や破損・汚損の補償
  • 家具をぶつけた → 破損・汚損の補償(付いている契約のみ)
ただし、補償の範囲と免責金額は契約ごとに違います。
経年劣化や熱割れは対象外とされることが多く、使えるかどうかは保険会社に確認するしかありません。
連絡は、修理を頼む前にしておくと手戻りがありません。

防犯や断熱のために交換したいときは、別のルール

「割れたから直す」ではなく、性能を上げるために替えたいときは、扱う条文が変わります。

共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正)第22条第1項

つまり、防犯ガラスや複層ガラスへの交換は、本来は管理組合が計画修繕で行うものという整理です。
そのうえで、管理組合がすぐに実施できない場合には、理事長の承認を受けて、自分の負担で工事できると定められています(第22条第2項)。
内窓(二重窓)を付ける工事も、窓まわりに手を入れる以上、まず管理組合に確認するのが順番です。
→ マンションのリフォームは許可が必要?承認・届出・不要の3段階
結露に悩んで窓を替えたい場合の考え方は、こちらにまとめています。
→ マンションの結露は誰の責任?分譲と賃貸で変わる負担のルール

まとめ|マンションの窓ガラスが割れたら

直したあとの明るい窓辺

  • 窓枠・窓ガラスは専有部分に含まれない=共用部分(第7条第2項第三号)
  • ただし専用使用権があり、割れた時の入替えは原則として自己負担(第21条第1項・コメント④)
  • 空き巣など第三者の犯罪行為が原因なら管理組合の負担(コメント⑥)
  • 同居する家族や借主が割った場合は自己負担(同)
  • 台風の飛来物は規約に明記がなく、管理組合への確認が必要
  • 雨の吹き込みを防ぐための同じ仕様のガラスへの張り替えは、承認を待たずにできる(第21条第3項ただし書・コメント⑧)
  • 直す前に写真。火災保険が使えることもある
  • 防犯・断熱のための交換は第22条の話で、まず管理組合に確認
窓は、毎日いちばん長く目に入る場所です。
手順さえ分かっていれば、割れてしまってもあわてずに済みます。
※本記事は、国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年10月改正版)を2026年9月に確認して作成しています。標準管理規約はあくまでひな形であり、実際の取り扱いはお住まいのマンションの管理規約・使用細則が優先されます。個別の費用負担や保険の適用については、管理会社・管理組合・保険会社にご確認ください。