マンションの給湯器が凍結してお湯が出ない時の対処と予防法

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冬の朝のマンションの共用廊下 生活
寒い朝、蛇口をひねってもお湯が出ない。
マンションだから凍らないと思っていた、という方は多いと思います。
結論からお伝えします。
マンションでも、給湯器とその配管は凍ります。そして、絶対に熱湯をかけてはいけません。
予防でいちばん効くのは、意外なことに「給湯器の電源プラグを抜かないこと」です。
この記事では、凍ったときの対処と予防、そして壊れたときの費用負担までを整理しました。
※内容は2026年9月時点のものです。

マンションのどこが凍るのか

マンションの給水管の多くは建物の中を通っているので、水道管そのものが凍ることはあまりありません。
凍るのは、外気に触れている部分です。
場所 凍りやすさ 理由
バルコニー置きの給湯器 高い 本体も配管もほぼ外気にさらされる
共用廊下側のパイプスペース(PS)内 中くらい 扉の中だが、外気は入る
バルコニーの水栓(散水栓) 高い むき出しで、使う頻度も低い
室内の給湯配管 低い 室温に守られている
そのうえで、同じマンションでも住戸によって条件が変わります。
  • 角部屋……外に面する壁が多く、風も当たりやすい
  • 最上階……屋根面から熱が逃げやすい
  • 高層階……地上より風が強く、体感でも設備でも冷えやすい
  • 北側・風の通り道……日が当たらず、気温が上がりにくい
「マンションだから大丈夫」ではなく、「自分の住戸の給湯器がどこにあるか」で考えてください。
バルコニーに置かれているなら、戸建てとほとんど同じ条件だと思ったほうが確実です。

まず確認|お湯だけ出ないのか、水も出ないのか

お湯と水のどちらが出ないか

対処を間違えないために、最初にここを切り分けます。
状態 考えられること まずやること
お湯だけ出ない(水は出る) 給湯器または給湯側の配管の凍結 自然に解けるのを待つ
水もお湯も出ない 給水側の凍結、または建物側の断水 ほかの部屋・他の住戸も出ないか確認 → 管理会社へ
お湯が出るが、すぐぬるくなる 凍結ではない可能性(機器の不具合など) リモコンの表示を確認 → メーカーへ
建物全体が断水しているのに待っていても、何も起きません。
水も出ないときは、まず管理会社に連絡して、建物側の状況を確認してください。

凍ってしまったときの対処

やることは、たった3つです。
  1. お湯側の蛇口を、少しだけ開けておく……解けたときに水が流れ出して、詰まりが抜けます
  2. 自然に解けるのを待つ……外気温が上がれば、たいてい戻ります
  3. 急ぐ場合は、配管にタオルを巻いて、その上からぬるま湯をかける
絶対にやってはいけないのが、熱湯をかけることです。
急な温度差で配管が割れます。凍った状態で割れているぶんには水は出ませんが、解けた瞬間に噴き出します。
マンションでこれが起きると、被害は自分の部屋だけでは済みません。
階下への漏水になると、話が一気に大きくなります。
→ マンションの漏水は誰の責任?配管の区分と費用負担のルール
ドライヤーで温めるのも、同じ理由でおすすめしません。一点だけが急に熱くなるからです。
時間はかかりますが、待つのがいちばん安全です。

水がもれているのを見つけたら

配管から水が出ているのを見つけたら、順番はこうです。
  1. 止水栓(元栓)を閉める……住戸の玄関わきのPS内や、洗面台の下にあります
  2. 給湯器の電源プラグを抜く
  3. 管理会社に連絡する
止水栓の場所は、凍る前に一度見ておいてください。
水が噴いている最中に探すのは、現実的ではありません。

予防|電源プラグを抜かないでください

給湯器の凍結予防

いまのガス給湯器には、凍結を防ぐしくみが最初から入っています。
リンナイの公式サイトでは、こう案内されています。
  • 凍結予防ヒーター……機器周辺の温度が約3℃以下になると、自動的に機器内を保温する
  • 自動ポンプ運転……外気温が約3℃以下になると始まり、リモコンに雪だるまのマークが出る
ここが大事なところです。
電源プラグを抜くと、このヒーターもポンプも働きません。
「使わないから」と冬の間にプラグを抜いてしまうと、守ってくれるものがなくなります。
なお、リモコンの運転スイッチは「入」でも「切」でもかまいません。プラグが挿さっていることが条件です。

浴槽のお湯を抜かない

追いだき機能が付いている場合、浴槽の残り湯が凍結予防に使われます。
リンナイの案内では、循環金具(浴槽の側面にある丸い部品)より5cm以上、水を残しておくこととされています。
理由は、追いだき配管の中を満水にするためです。
寒波の予報が出た夜は、お湯を抜かずに寝る。これだけで効果があります。

それでも不安な夜は、水を流しておく

さらに確実にしたいときの方法も、公式に数字で示されています。
給湯栓(お湯側の蛇口)を開けて、1分間に約400mL、太さ約4mmの流れで浴槽に流しておく。
鉛筆の芯より少し太いくらいの、細い流れです。
水道代はかかりますが、配管を1本割るよりはるかに安く済みます。

長く家を空けるときは水抜きを

年末年始に帰省するなど、数日以上留守にするときは、水抜きをしておくのが確実です。
手順は機種によって違うので、お使いの給湯器の取扱説明書を見てください。
水抜きのあとは、給湯側から通水し、そのあとふろ側に通水するという順番が案内されています。
いきなり全部開けないよう気をつけてください。

凍結で壊れたら、誰が払うのか

ここが、マンションならではの疑問だと思います。

給湯器そのものは「専有部分」の扱い

国土交通省のマンション標準管理規約では、共用部分の範囲を別表で定めています。
そこにメーターボックスが挙げられていますが、かっこ書きが付いています。

メーターボックス(給湯器ボイラー等の設備を除く)
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正)別表第2

メーターボックス(=PS)という「箱」は共用部分だが、その中の給湯器は共用部分から除かれている、という書き方です。
つまり、給湯器本体は、その住戸の持ち主が管理するものという整理になります。

配管は、場所によって変わります

配管については、共用部分と一体になっている部分の扱いが定められています。

第2項の対象となる設備としては、配管、配線等がある。(中略)配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担するものである。
出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正)第21条関係コメント⑦

ざっくり言えば、住戸の中につながる部分は自分、建物全体を通る立て管は管理組合という考え方です。
ただし境目はマンションごとの管理規約で決まりますので、実際の負担は管理会社に確認してください。

保証期間内でも、凍結の修理は有料です

もうひとつ、知っておいたほうがよいことがあります。
リンナイの公式サイトには、「凍結による破損の場合は、保証期間内でも有料修理となります」とはっきり書かれています。
買ったばかりでも、凍らせたら自己負担。
だからこそ、プラグを抜かない・お湯を残す、という予防が効いてきます。
給湯器の寿命や交換の目安は、こちらにまとめています。
→ 給湯器の寿命は10〜15年|交換のサインと費用・号数の選び方

冬が来る前に、一度だけやっておくこと

寒波の予報が出てから慌てないよう、11月のうちに3つだけ確認しておいてください。
  1. 自分の給湯器がどこにあるか(バルコニーか、廊下側のPSか)
  2. 住戸の止水栓(元栓)の場所
  3. 給湯器の電源プラグが挿さっているか
3分で終わります。
この3分が、真冬の朝の30分を助けてくれます。

まとめ|マンションの給湯器の凍結

湯気の立つ蛇口

  • 凍るのは外気に触れる場所。バルコニー置きの給湯器がいちばん危ない
  • まず「お湯だけ出ない」のか「水も出ない」のかを切り分ける
  • 熱湯をかけない。配管が割れて、解けた瞬間に噴き出す
  • お湯側の蛇口を少し開けて、自然に解けるのを待つ
  • 予防の第一は電源プラグを抜かないこと(約3℃以下で凍結予防ヒーターが働く)
  • 浴槽の残り湯を循環金具より5cm以上残す
  • 不安な夜は1分間に約400mL(太さ約4mm)流しておく
  • 給湯器本体は専有部分の扱い(別表第2のかっこ書き)
  • 凍結による破損は、保証期間内でも有料修理
凍結は、起きてからできることがほとんどありません。
反対に、起きる前にできることははっきりしています。今年の冬は、プラグの確認から始めてみてください。
※本記事は、国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」(令和7年10月改正版)と、リンナイ株式会社の公式サイト「給湯器の凍結について」を2026年9月に確認して作成しています。凍結予防の機能・手順はメーカーと機種によって異なりますので、お使いの給湯器の取扱説明書をご確認ください。また、標準管理規約はひな形であり、実際の費用負担はお住まいのマンションの管理規約が優先されます。個別の判断は管理会社・管理組合にご相談ください。