管理費と共益費の違いは?賃貸と分譲マンションで意味が違う

マンションのエントランス 生活
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物件情報を見ていると、家賃の横に「管理費」と書かれている物件もあれば、「共益費」と書かれている物件もあります。
何が違うのか、迷いますよね。
結論からお伝えします。
賃貸住宅では、管理費と共益費はほぼ同じ意味で使われています。
どちらも、廊下の電気代や清掃などみんなで使う部分の維持費です。
ただし、不動産広告のルールでは、2つの言葉はもともと別のものとして定義されています。
そして分譲マンションでは「共益費」という言葉はほとんど使われず、「管理費」と「修繕積立金」の2本立てになります。
この記事では、宅地建物取引士の立場から、2つの言葉の違いと、物件を比べるときのコツを整理しました。

広告のルールでの定義

不動産広告の書き方を定めた「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」には、2つの言葉の定義がそれぞれ書かれています。

管理費(マンションの事務を処理し、設備その他共用部分の維持及び管理をするために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課等を含み、修繕積立金を含まない。)
出典:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則 第11条第41号

共益費(借家人が共同して使用又は利用する設備又は施設の運営及び維持に関する費用をいう。)
出典:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則 第11条第42号

読みくらべると、こうなります。
言葉 主に使われる場面 中身
管理費 マンション(分譲・賃貸とも) マンションの事務や、共用部分の維持・管理にかかる費用。修繕積立金は含まない
共益費 賃貸住宅(「借家人」という言葉が入っている) 借りている人たちが共同で使う設備や施設の運営・維持の費用
つまり、管理費は「マンションの管理」から、共益費は「借りている人どうしの共用部分」から来た言葉です。
どちらも月額で表示するよう決められていますが、決めているのは広告の表示の仕方で、何にいくら使うかまでは決めていません。

賃貸住宅では、ほぼ同じものと考えてよい

共用部分にかかる費用

賃貸のマンションやアパートで、毎月家賃と一緒に払う「管理費」「共益費」は、実際にはほぼ同じ使い方をされています。
どちらの言葉を使うかは、大家さんや管理会社の慣習による違いがほとんどです。
主な使い道は、次のようなものです。
  • 廊下・階段・エントランスの照明の電気代
  • 共用部分の清掃
  • エレベーターやオートロックの点検・維持
  • ごみ置き場の管理
  • 植え込みの手入れ など

物件を比べるときは「合計」で見る

ここがいちばん大事なところです。
物件 家賃 管理費・共益費 毎月の合計
A 70,000円 5,000円 75,000円
B 73,000円 0円(家賃に込み) 73,000円
家賃だけを見るとAのほうが安く見えますが、毎月払う金額はBのほうが安い、ということが起きます。
「管理費なし」「共益費込み」の物件は、家賃に含まれているだけのことが多いので、必ず合計の金額で比べてください。
なお、敷金・礼金・更新料などが「家賃の◯か月分」と書かれているとき、管理費・共益費を含めて計算するかどうかは契約によって違います。契約書で確認しておくと安心です。

分譲マンションでは「管理費」と「修繕積立金」の2本立て

マンションを買った場合、毎月払うのは管理費と修繕積立金です。
国土交通省のマンション標準管理規約では、この2つをあわせて「管理費等」と呼んでいます(第25条)。
ちなみに、標準管理規約には「共益費」という言葉は出てきません。
費目 使い道 根拠
管理費 ふだんの管理:管理員の人件費、共用設備の保守・運転、清掃・ごみ処理、共用部分の保険料、管理会社への委託費 など 標準管理規約 第27条
修繕積立金 特別な管理:一定の年数ごとに計画的に行う修繕(外壁・屋上・配管など)、不測の事故による修繕 など 標準管理規約 第28条
管理費は「毎月の暮らしを回すお金」、修繕積立金は「将来の大きな修繕のための貯金」と考えると分かりやすいと思います。
修繕積立金は、決められた使い道のためにしか取り崩せないことになっています。

中古マンションを買うときの注意

中古マンションを検討するときは、管理費と修繕積立金の両方の月額を確認してください。
修繕積立金が安すぎる物件は、将来の修繕で一時金の負担や、大幅な値上げが必要になることがあります。
マンションの共用部分の使い方や責任の分け方は、こちらでも整理しています。
→ マンションのバルコニーは誰のもの?物置がダメな理由

まとめ|管理費と共益費の違い

電卓と家計のメモ

  • 広告のルールでは、管理費=マンションの共用部分の維持管理費、共益費=賃貸の借りている人が共同で使う設備の維持費と定義されている
  • 賃貸住宅では、ほぼ同じものとして使われている
  • 物件を比べるときは家賃+管理費・共益費の合計で見る
  • 「管理費なし」は家賃に込みのことが多い
  • 分譲マンションは管理費+修繕積立金の2本立て(標準管理規約 第25〜28条)
  • 中古マンションは修繕積立金の額もかならず確認する
名前の違いにまどわされず、毎月いくら払うのかで見る。それが、物件選びでいちばん失敗しないコツです。
※本記事は、不動産公正取引協議会連合会が公開している「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」と、国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」(令和7年10月改正版)を2026年10月に確認して作成しています。実際の費用の名前や使い道は、物件ごとの契約書・管理規約で決まります。