「台風が近づいてきたけど、窓ってこのままで大丈夫?」。
大型台風のニュースを見るたび、窓ガラスの不安がよぎりませんか。
大型台風のニュースを見るたび、窓ガラスの不安がよぎりませんか。
台風で窓ガラスが割れる原因は、実は風圧そのものより「飛来物」が大半。
つまり対策の主役は、「風で割れない工夫」ではなく「飛んでくる物への備え」と「割れたときの被害を減らす工夫」なんです。
つまり対策の主役は、「風で割れない工夫」ではなく「飛んでくる物への備え」と「割れたときの被害を減らす工夫」なんです。
結論からお伝えすると、優先順位は「①ベランダの片付け → ②雨戸・シャッター → ③飛散防止フィルム → ④養生テープは最終手段」。この順で備えるのが合理的です。
この記事では、建物の設計・現場に長く関わってきた立場から、マンションでできる台風の窓対策を、優先順位と正しいやり方でわかりやすく解説します。
結論|窓対策の優先順位
まず全体像です。効果の高い順に並べています。
| 優先度 | 対策 | 効果 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 1 | ベランダ・バルコニーの片付け | ◎ 飛来物の発生源を断つ | 0円 |
| 2 | 雨戸・シャッターを閉める | ◎ 物理的に窓を守る | 0円(設置済みなら) |
| 3 | 飛散防止フィルム | ○ 割れても破片が飛び散らない | 2,000円〜/窓 |
| 4 | カーテン・ブラインドを閉める | ○ 室内への破片飛散を軽減 | 0円 |
| 5 | 養生テープ(最終手段) | △ 飛散軽減のみ。割れは防げない | 数百円 |
ポイントは、養生テープを窓に貼っても「ガラスが割れにくくなる」効果はほぼ期待できないということ。詳しくは後述します。
なぜ窓が割れるのか|風圧より「飛来物」
一般的な住宅用の窓ガラスは、建築基準法に基づく耐風圧設計がされており、風圧だけで割れることは実はまれです(2026年8月時点の一般的な仕様の場合)。
割れる原因の大半は、強風で飛ばされてきた物の衝突。
- 近隣のベランダから飛んできた物干し竿・プランター・スリッパ
- 屋外の看板・トタン・庭木の枝
- 自宅のベランダに置いていた物が風で暴れて自宅の窓に衝突
つまり、自分の家のベランダを片付けることは、自宅と近隣の両方を守る行動になります。台風対策は「お互いさま」の側面が大きいのです。
対策①:ベランダの片付け|最優先・0円・効果最大

台風接近の前日までに、以下を室内へ取り込むか固定してください。
室内に取り込むもの
- 物干し竿(最重要。飛来物事故の定番)
- プランター・植木鉢
- サンダル・スリッパ・掃除道具
- すだれ・日よけシェード(外して丸めて室内へ)
- 軽量の物置・収納ボックスの中身が軽い場合は本体ごと
取り込めない場合の固定
- エアコン室外機:通常は固定済みなので基本そのままでOK(配管カバーの浮きだけ確認)
- 大型プランター:壁際に寄せ、倒して低くしておく
物干し竿を「竿受けに置いたまま」は絶対NG。強風で槍のように飛びます。床に下ろすだけでも不十分で、室内取り込みが原則です。
対策②:雨戸・シャッター|あるなら必ず閉める

雨戸・シャッターがある窓は、閉めるだけで飛来物対策としてはほぼ万全です。
- 台風接近の前日までに開閉テスト(久しぶりに動かすと引っかかることがある)
- レールの砂・ゴミを掃除しておくとスムーズ
- 強風が始まってからの操作は危険。風が強まる前に閉め終える
マンションの中高層階はシャッターが付いていないことも多いですが、その場合は対策③以降でカバーします。
対策③:飛散防止フィルム|「割れても安全」をつくる

シャッターのない窓の現実的な備えが、ガラスの内側に貼る飛散防止フィルムです。
- 割れること自体は防げないが、破片が飛び散らないため室内の人のケガを大幅に減らせる
- ホームセンター・ネットで窓1枚あたり2,000〜4,000円程度から
- 紫外線カット・目隠し効果を兼ねる製品も多い
- 賃貸でも貼ってはがせるタイプなら導入しやすい(原状回復の条件は契約を確認)
台風直前は売り切れが多発します。シーズン前の8月中に準備しておくのがおすすめです。
より本格的な備え:防犯・防災ガラスへの交換
分譲マンションで長期的に備えるなら、合わせガラス(中間膜入り)への交換という選択肢もあります。
ただし窓サッシは共用部扱いのことが多く、管理組合への確認が必須。費用は窓1枚あたり数万円〜。リフォーム補助金の対象になる場合もあります。
ただし窓サッシは共用部扱いのことが多く、管理組合への確認が必須。費用は窓1枚あたり数万円〜。リフォーム補助金の対象になる場合もあります。
対策④⑤:カーテンと養生テープ|正しい期待値で使う

台風当日にできる仕上げの対策です。
カーテン・ブラインドは閉めておく
万一ガラスが割れたとき、破片の室内への飛散をカーテンが受け止めてくれます。
雨戸のない窓は、夜間・外出時もカーテンを閉めておきましょう。0円でできる最後の防壁です。
雨戸のない窓は、夜間・外出時もカーテンを閉めておきましょう。0円でできる最後の防壁です。
養生テープの「本当の効果」
SNSで有名になった「米」の字貼りですが、正しく理解しておきたいポイントがあります。
- ❌ ガラスが割れにくくなる効果はほぼない(実験でも強度向上はわずかとされる)
- ○ 割れたときに破片がテープに付着し、大きな塊で落ちるため、細かい飛散は減る
- ⚠ 一方で「大きな塊」はそれ自体が危険という指摘もある
結論として、養生テープは「フィルムも雨戸もない窓の、当日できる最終手段」という位置づけ。
貼るなら内側から、カーテン併用が前提です。剥がすときにガラス面に跡が残ることがあるため、台風通過後は早めに剥がしましょう。
貼るなら内側から、カーテン併用が前提です。剥がすときにガラス面に跡が残ることがあるため、台風通過後は早めに剥がしましょう。
マンションならではの注意点|共用部と避難経路

マンションの台風対策では、管理規約と避難経路の視点も欠かせません。
- バルコニーは共用部(専用使用部分):物置の常設や床材の固定敷設が規約違反になっていないか、この機会に確認を
- 避難ハッチ・隔て板の前に物を置かない:台風時に限らず、避難経路の確保は絶対条件
- 排水口(ドレン)の掃除:落ち葉やゴミが詰まっていると、大雨でベランダがプール状態になり、サッシから室内へ浸水することも
- 玄関ドアの新聞受け・郵便口:強風時は風の通り道になり笛のような音が鳴ることも。テープで仮塞ぎすると軽減
特に排水口の詰まりは、窓が無事でも浸水被害につながる盲点。ベランダ片付けとセットで必ず確認してください。
よくある質問(台風の窓対策Q&A)

Q1. 窓を少し開けて気圧を逃がすといい、と聞きましたが本当?
これは誤った俗説です。
窓を開けると強風が室内に吹き込み、室内の気圧が上がって屋根や他の窓を内側から押し破るリスクがむしろ高まります。台風時は全ての窓を確実に閉めてください。
窓を開けると強風が室内に吹き込み、室内の気圧が上がって屋根や他の窓を内側から押し破るリスクがむしろ高まります。台風時は全ての窓を確実に閉めてください。
Q2. 高層階は風が強いと聞きます。特別な対策は必要?
高層階は地上より風速が増す傾向がありますが、その分、高層マンションの窓は耐風圧性能も高く設計されています。
対策の基本は低層階と同じで、ベランダの完全片付けが最重要。高いところから落ちた物は凶器になるため、責任も重大です。
対策の基本は低層階と同じで、ベランダの完全片付けが最重要。高いところから落ちた物は凶器になるため、責任も重大です。
Q3. 窓ガラスが割れてしまったら、どうすればいい?
まず割れた部屋に近づかないこと(続く強風で破片が舞います)。ドアを閉めて別室へ移動し、台風通過後に片付けと応急処置(段ボール+テープ等)を。
火災保険の「風災補償」で修理費が出る場合が多いので、写真を撮ってから保険会社へ連絡してください(2026年8月時点の一般的な契約の場合)。
火災保険の「風災補償」で修理費が出る場合が多いので、写真を撮ってから保険会社へ連絡してください(2026年8月時点の一般的な契約の場合)。
Q4. 対策はいつから始めればいい?
フィルム貼りなどの事前対策は台風シーズン前(8月中)に。
ベランダ片付け・雨戸確認は接近の前日までに。
風が強まってからの屋外作業は転落・飛来物のリスクがあり、絶対に避けてください。
ベランダ片付け・雨戸確認は接近の前日までに。
風が強まってからの屋外作業は転落・飛来物のリスクがあり、絶対に避けてください。
まとめ|「飛ばさない・飛ばされない・割れても安全」

最後に、記事のポイントを整理します。
- 窓が割れる主因は風圧ではなく飛来物。だからベランダ片付けが最優先
- 物干し竿は室内へ。竿受けに置いたままは厳禁
- 雨戸・シャッターは前日までに動作確認して確実に閉める
- シャッターのない窓は飛散防止フィルム+カーテンで「割れても安全」をつくる
- 養生テープは割れ防止ではなく飛散軽減の最終手段
- マンションは排水口の詰まり・避難経路の確保も忘れずに
- 「窓を開けて気圧を逃がす」は誤り。全て閉める
- 割れたら火災保険の風災補償を確認
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