一人暮らしであっても部屋は清潔に保ち、常にいい匂いで満たされていると気持ちよいものです。
しかし、良い香りを維持するのは容易ではなく、ただ芳香剤を置くだけでは期待する効果は得られません。
部屋の中がいつもいい匂いに包まれ、いつ誰が来ても快適で癒やされるような空間を維持するにはどうしたらよいか? 今回の記事では、そのアイデアについていくつかご紹介していきます。
芳香剤を置く前にやるべきこと
芳香剤を置いたりアロマを炊いたり、部屋中に香水を振りまいたりすれば、いい匂いで充満するかもしれませんが、それは一時的なものであって匂いを持続させることはできません。
なぜなら、部屋の中は自分の体臭や普段着ている衣料、ゴミなどが知らず知らず嫌な匂いを放ち充満しています。
それらを解決しないと、いくら芳香剤をおいたり香水を振りまいても、嫌な匂いと混じり合って打ち消されてしまい、いずれ元に戻ってしまうからです。
まずは、不快な匂いの要因となっている元を断ち切ることが肝要です。
お部屋のよい香りを持続させる方法
部屋の良い香りを維持するための具体的な方法について、1つずつ紹介していきます。
掃除をまめに行う
まずは、嫌な匂いを放っている根源を絶たなければ、いくら換気をしようが芳香剤を置こうが効果は半減してしまいます。
部屋の中で嫌な匂いの主な要因として、以下のものが挙げられます。
- 靴やシューズボックス
- 排水口
- お風呂場の水垢やカビ
- コンロやレンジフードの油汚れ
- 新品の家具や家電
- 衣料やタオル等
- エアコン
- 灰皿
エアコンが異臭を放つ要因になり得ることを意外に思われるかもしれません。実は、エアコンの内部は水滴がたまりやすく適切に排出されないままになると、カビの温床となってしまいます。
エアコンの送風や暖房機能を使って約1時間運転させ、内部を乾燥させることで臭いを減らすことが可能です。
特に狭い空間では、キッチンや玄関、バスルームの臭いがリビングや寝室の方にも影響を与えることがありますので、できる部位から少しずつでも掃除をしていきましょう。
洗濯をまめに行う
他人のご自宅に入った時、独特の生活臭を感じることってありませんか?築年数の古いお家に行くと「おばあちゃん家の匂い」なんて表現もよく耳にしますね。
自分にとっては嫌な臭いではなくても、訪問者にとっては不快に感じるケースも。
そんな部屋の臭いの多くは布製品に付着するため、これらの臭いを効率的に除去するには洗濯やクリーングが最適です。
特に、臭いが付きやすい布製品としては以下のものが挙げられます。
- カーテン:滅多に洗わないため、埃や臭いが付着しやすい
- カーペット、絨毯、ラグマットなど:食べこぼしや埃など
- こたつ布団:同上
- 布団や毛布:体臭が付きやすい
- クローゼット内の衣類:部屋干しの臭いなど
- クッション:洗濯できない製品が多く、臭いがつきやすい
- 手拭きタオル:特に汚れやすく菌が繁殖しやすいので、定期的な交換が必要
可能な限り、衣類やカーペット、カーテン、布団なども洗濯しましょう。
洗濯後に部屋干し臭がする場合は、菌が付着している証拠です。殺菌するためには、コインランドリーの乾燥機を利用すると良いでしょう。
最新設備の整ったコインランドリーなら、布団やカーペット等の大きな物でも洗濯できるところが多いです。
また、殺菌効果のある漂白剤を用いると、洗濯時の臭いをより効果的に除去できます。どうしても洗うことができないカーテンやクッションは、消臭スプレーをかけるだけでも効果があります。
換気をまめに行う
日常的に染みついた部屋の匂いはすぐには消えず地道な除去作業が必要ですが、換気をまめに行うことで生活臭を新鮮な空気で徐々に薄めることができます。
部屋の換気をするには、主に以下の方法があげられます。
- 換気扇を使う
- 給気口を利用する
- 窓を開ける
- 入口のドアを開ける
できるだけ頻繁に換気をしましょう。換気を多くするほど、新鮮な空気により不快な匂いが減って芳香剤や香水、アロマなどの効果も高まります。
専門的な話になりますが、必要な換気量は以下の計算式で求めることができます。
必要換気量(㎥/h)=20×居室の床面積(㎡)÷1人あたりの専有面積(㎡)
20㎥は、成人男子の時間あたりの平均二酸化炭素排出量に基づいています。
求めた必要換気量を、部屋の体積で割れば1時間あたりの必要換気回数が求められるわけですが、いちいちそんな計算をして換気している人はいないでしょう。
私はCO2濃度計を設置していて、CO2濃度が1,000ppmを超えアラームが鳴ったら換気をするようにしています。
換気する際は、湿気がたまりやすいクローゼットなどの扉も開けましょう。24時間換気があれば回しておき、給気口は普段から開けておくとより効率的に換気できます。
その他、空気洗浄機の使用も効果的ですね。匂いは空気を伝わってきますので、お部屋を常に新鮮かつ綺麗な空気で満たしていくことはとても重要です。
断捨離を行う
物が多い場合は断捨離をして、匂いの原因を減らすことも重要です。換気しても取り除けない匂いが、意外な場所から発生していることもあります。
部屋にある不要な物を減らすことで、掃除もしやすくなりますし、いやな匂いの発生源も特定しやすくなります。
目安として、1年以上使っていないものは無くても問題ないと判断し処分することをお勧めします。
お部屋をよい香りにするアイテムの選び方
室内を心地よい香りで満たすためには、以下の4つのアイテムが効果的です。
1. アロマ
2. ルームディフューザー
3. お香
4. ポプリ
それぞれの特徴と選び方について詳しく見ていきましょう。
アロマオイル
アロマオイルは、植物から抽出されたエッセンスを使用し、香りだけでなく植物本来の力を感じることができます。
100%天然の精油と合成香料のものがあり、安価な合成香料もありますが、本物の香りと癒しを求めるなら天然の精油がおすすめです。
部屋全体に香りを広げたい場合はディフューザーやリードディフューザーが効果的で、特定の場所に香りを集中させたい場合はアロマストーンやアロマランプが便利です。
ルームディフューザー
ルームディフューザーは、工業的に製造された香りの液体を小瓶に詰めたもの。これを「部屋専用の香水」と考えると分かりやすいでしょう。
香りのバリエーションが豊富で、デザインも魅力的なものが多いため、インテリアとしても楽しめます。
市販されている主なタイプはスプレータイプとスティックタイプですが、瓶に入れて置くだけのシンプルなものや、コンセントを使って熱で香りを広げるタイプもあります。部屋の広さに合わせて選ぶとよいでしょう。
お香
お香は、木の実や香木など自然界から得られる素材を主な原料としています。直接火をつけて燃やすタイプや、間接的に熱を加えることで香りを放つタイプなど様々な使用方法があります。
香りが広がりやすく残りやすいのが特徴で、部屋の広さに応じた燃焼時間のお香を選ぶことが重要です。
広い空間用には、長時間燃焼する渦巻き型が適しており、ゆったりと香りを楽しむことができます。コーン型やスティック型は燃焼時間が短いですが、その分香りの強さや濃淡を調節しやすく、香りの変化を楽しめます。
香りの感じ方には個人差があるため、自分の好みや使用する場所に合ったお香を選ぶことをお勧めします。
ポプリ
ポプリは、生花の美しさと香りを長く楽しむことができるアイテム。湿らせた塩を加えて湿気を保持するモイストポプリと、花を乾燥させた後に香りをつけるドライポプリの二つの方法があります。
香りを長く持続させたい場合、モイストポプリが適しています。使用後の塩は、花の寿命が終わった後でバスソルトとして再利用することができます。
ドライポプリは持ち運びが便利で、いつでもどこでも手軽に香りを楽しめます。
また、ポプリは見た目の美しさも重要な魅力の一つで、部屋のデコレーションとしても活用できます。選ぶ際は、部屋の雰囲気に合わせて花の色や容器のデザインを選ぶと良いでしょう。
さいごに
お部屋のよい香りを長持ちさせるために、掃除や換気によって嫌な匂いの要因を除去したうえで、良い香りにするためのアイテムをご紹介してきました。
しかし、様々な香りを同時に使ってしまうと、それらが混ざり合って不快な香りを生み出してしまう可能性もあります。
必ずしも同一ブランドの製品を使う必要はありませんが、例えば、全体として柑橘系の香りにするなど統一感をもたせることで、心地よい香りの空間を創り出していきましょう。