年のはじまりに、気持ちも空間も新たに整えたい──そんなときにぴったりなのが「正月飾り」。
でも、「賃貸だから飾れないかも」「壁に穴を開けるのはちょっと…」という声も多く聞かれます。
実は、賃貸のおうちでも工夫次第で、十分おしゃれに正月飾りを楽しめるんです。
今回は、初心者さんでも手軽にできる飾りのアイデアや、選び方のコツ、玄関のしつらえを楽しむ工夫をご紹介します♪
正月飾りって?その意味と楽しみ方
正月飾りとは、新年の神様「年神様(としがみさま)」をお迎えするための伝統的な飾りのこととされています。
代表的なものには、しめ縄(しめ飾り)や門松、鏡餅などがあり、それぞれに込められた意味や願いが存在します。
しめ縄は「ここは清められた神聖な場所ですよ」と知らせる結界のような役割があり、門松は神様が降りてくるための目印、鏡餅には家庭の円満と繁栄を願う気持ちが込められているといわれています。
これらの飾りは、昔から受け継がれてきた日本の風習のひとつであり、単なる飾りではなく、年の始まりに「家族の無病息災」「商売繁盛」「五穀豊穣」など、さまざまな願いを託す祈りの象徴でもあります。
地域や家庭によって、飾る期間や素材、形状に違いがあるのも興味深いポイントです。意味や背景を知ると、ただ飾るだけでなく「気持ちを込めて飾る」ことができるようになりますね。
賃貸住宅にお住まいの方でも、玄関にちょこんと飾るだけで、空間が引き締まり、ぐっとお正月らしい雰囲気に。
シンプルなスペースでも、気持ちを込めて飾ることで「新年を迎える喜び」や「日々への感謝」を表現することができるのです。
賃貸でも安心!正月飾りアイデア集
小さめ&置くだけでOKな飾り
壁に穴を開ける必要がない、置き型のミニ門松やしめ縄リースはとても人気です。
玄関ポーチや下駄箱の上、ちょっとした棚や玄関脇のカウンターなど、目につく場所にちょこんと置くだけで、ぐっとお正月らしい雰囲気に。
最近では、おしゃれなガラスケースに入ったアレンジ門松や、木の温もりを感じる小物タイプの飾りも登場しており、和洋問わずインテリアになじみやすいのもポイントです。
小ぶりなサイズ感だからこそ、忙しい方や一人暮らしの方でも気軽に取り入れられるのが魅力ですね。
壁を傷つけずに楽しむ!
マスキングテープ+フックを使えば、しめ飾りやリースも安心して飾れます。
100円ショップやインテリア雑貨店では、賃貸向けの貼って剥がせるタイプのフックが手に入るので、壁やドアを傷める心配もありません。
ドアの内側や玄関の壁面だけでなく、鏡や収納扉に貼って楽しむのもおすすめ。
色や素材にこだわれば、フック自体もインテリアの一部として溶け込みます。
DIYでオリジナル飾りを
手元にある折り紙や和紙、松ぼっくり、麻ひもなどを使って、自分だけのミニしめ縄や正月リースを作るのも、心が和む楽しいひとときです。
100均やホームセンターで材料をそろえられるので、コスパも◎。
お子さんと一緒に作れば、冬休みの自由研究や親子の思い出づくりにもぴったりです。
また、和紙で作る鶴や梅の花を添えるだけでも、華やかさがぐんとアップします。
自分好みの色やテーマで作れるのが、DIYの大きな魅力です。
海外風アレンジでちょっと差をつけて
最近では、洋風リースにしめ縄や梅の花、南天などの縁起物を取り入れた「和モダン」な飾りも注目されています。
ドライフラワーを使ったリースに和柄リボンを合わせたり、ゴールドやホワイトを基調にした洋風インテリアに、赤い実のアクセントを加えるだけで、おしゃれな“お正月スタイル”が完成します。
ナチュラルインテリアや北欧風のお部屋とも相性がよく、トレンド感と伝統を両立できるのが魅力です。
季節ごとのリースを楽しんでいる方にもおすすめですよ。
正月飾りを選ぶときのポイント
- 重くないものを選ぶ:軽い素材のものなら、壁掛けも安心です。特に発泡スチロールや紙素材、フェルトなどを使用した飾りは扱いやすく、賃貸住宅でも安心して設置できます。また、落下の心配が少ないため、小さなお子さんやペットがいるご家庭にも向いています。
- 再利用しやすいものを選ぶ:布製や木製の飾りは、しっかりとした作りで丈夫なうえ、収納して翌年も使いやすいのが魅力です。デザインがシンプルで飽きのこないものを選んでおくと、毎年少しずつアレンジを加えて楽しむこともできますよ。環境にもお財布にもやさしい選び方です。
- お手入れが簡単なものを:ホコリがたまりにくく、サッと拭くだけで済むような飾りは、忙しい年末年始にもぴったり。プラスチック製や撥水加工のある素材なら、お掃除もらくらく。玄関は湿気がたまりやすい場所でもあるので、防湿対策がされているものや、カビに強い素材を選ぶとより安心です。
- 収納しやすいサイズや形状を選ぶ:使い終わった後の収納も考えて、折りたたみ式やフラットになるデザインなど、省スペースで保管できるタイプがおすすめ。箱に収まりやすい形のものは、翌年もきれいな状態で使うことができます。
- 雰囲気に合った色やデザインを:住まいの雰囲気やインテリアのテイストに合う色やデザインの飾りを選ぶことで、統一感のある美しい玄関空間になります。和風・モダン・ナチュラルなど、好みに合わせて選びましょう。
玄関をもっと素敵に!飾りの配置と工夫
飾りを置くときは、「目線の高さ」「玄関の中央」など“目立つ場所”を意識すると、訪れる人の目に留まりやすく、空間全体の印象がぐんと華やかになります。
玄関は通るたびに目に入る場所でもあるため、自分自身の気持ちをリセットしたり、ちょっと前向きにしてくれる空間づくりにもぴったりです。
飾りを引き立てるために、小さなLEDライトやキャンドル型ライトを添えると、夜間でもほんのりと明るく柔らかな印象に。
玄関マットやスリッパ、傘立てなどのアイテムと色を合わせると、全体に統一感が出て、ワンランク上のコーディネートになりますよ。
壁や床の色味に調和する飾りや、ナチュラルな木製・布製アイテムを使うのも効果的です。
また、芳香剤やディフューザーでほんのり香りを添えるのもおすすめです。
「お正月らしい、いい香りだね」「どこか懐かしい香りがするね」と家族やお客様の心を和ませてくれるはず。
柚子や松、白檀(びゃくだん)などの香りを取り入れると、より一層季節感が高まります。
もしスペースに余裕があれば、玄関の片隅に小さな椅子やベンチを置いて、そこに飾りをディスプレイするのも◎。
高さや奥行きを活かすことで、コンパクトな空間でも立体感が生まれ、バランスよく仕上がります。
飾ったあとのお手入れと片付けは?
正月飾りは、一般的に「松の内(関東では1月7日頃まで、関西では1月15日頃まで)」で片付けるのが風習とされています。松の内が過ぎたら、飾りに感謝の気持ちを込めながら丁寧に片付けましょう。
神社や地域のどんど焼き行事などでお焚き上げしてもらうのが正式ですが、それが難しい場合は、白い紙や新聞紙などに包み、「ありがとう」と心の中で唱えながら、自治体のごみ出しルールに従って可燃ゴミとして処分するのも一つの方法です。
ただし、自宅での焼却は避け、地域の安全基準や行事に従うようにしましょう。
再利用を考えている場合は、飾りにホコリや湿気が残らないよう、やわらかい布などで軽く拭いてから乾燥させるのがおすすめです。
木や布、紙などの天然素材はカビや虫の原因にもなりやすいため、乾燥剤を入れた密閉袋や収納ケースに入れておくと安心です。
収納場所も直射日光や高温多湿を避けた場所を選びましょう。クローゼットの上段や押し入れの奥など、風通しのよい場所が理想です。きれいに保管しておけば、翌年も気持ちよく使うことができますし、家族の“毎年のお楽しみ”としても定着しやすくなりますよ。
賃貸でも楽しむ!季節のしつらえを暮らしに
正月だけでなく、ひな祭り、七夕、十五夜、お月見、クリスマスなど、季節ごとの行事や風物詩は日本ならではの魅力。
小さな飾りや草花を取り入れることで、暮らしの中にその季節の空気や風情を取り込むことができます。
たとえば、3月のひな祭りにはミニ雛人形や桃の花、7月の七夕には短冊や笹の葉を小さなガラス瓶に飾ったり、秋の十五夜にはススキや月見団子風のインテリアを取り入れるなど、大がかりでなくても十分楽しめます。
100円ショップや手持ちの素材でも、工夫次第でぐっと華やかに、そして温かみのある空間に仕上がりますよ。
「場所がない」「時間がない」ではなく、
“ほんの少しの工夫”と“ちょっとした気持ち”が、心をふっと軽くしてくれるかもしれません。
日常の中に、ほんのひとときでも四季を感じることができると、暮らし全体にやさしい彩りが広がっていきます。
お正月をきっかけに、ぜひ「季節の楽しみ」を暮らしに取り入れて、日々を少しずつ豊かにしてみてくださいね♪
