焼きたての香ばしい香りと、とろ〜りクリーミーな口当たり。そんな魅力いっぱいのグラタンは、寒い季節だけでなく、どんな日でも心まであたたかくしてくれる定番料理です。
フランス生まれのグラタンは、ホワイトソースやチーズを使ったやさしい味わいが特徴で、日本の家庭でも昔から親しまれてきました。
今回は、そんなグラタンをカリッと美味しく仕上げるポイント、保存方法までをご紹介します。
グラタンをカリッと仕上げる基本レシピ
材料
基本的な材料は、ホワイトソース、チーズ、パン粉、そして主となる具材（鶏肉、マカロニ、エビなど）です。
風味付けのための塩、こしょう、ナツメグ、バターなどの調味料も欠かせません。玉ねぎやきのこ類、ブロッコリーなどの野菜を加えることで栄養バランスも良くなり、見た目にも彩り豊かに仕上がります。
ホワイトソースの作り方
ホワイトソースはグラタンの味を決定づける大切な要素です。基本的にはバターと小麦粉を炒めてから牛乳を加えることで作ります。
まず、鍋にバターを入れて中火で溶かし、小麦粉を加えてしっかり炒めます。粉っぽさがなくなり、全体がなめらかになったら、少しずつ牛乳を加えてよく混ぜ合わせていきます。
一気に加えるとダマになりやすいため、数回に分けて加えるのがポイント。とろみが出るまで弱火でじっくり混ぜ続け、仕上げに塩やナツメグで味を調えると、コクのあるソースが完成します。
具材の下ごしらえ
グラタンに使う具材は事前に火を通しておくのが基本です。鶏肉やエビなどの動物性たんぱく質は、中までしっかり加熱しておくことで安全性が高まり、焼き時間を短縮することができます。
野菜類も軽く炒めたり茹でたりしておくと、水分が出にくく、仕上がりがベチャつくのを防げます。
玉ねぎは甘みを引き出すためにじっくり炒めるのがおすすめで、きのこ類も軽くソテーしてから使うと香りが引き立ちます。
グラタンにおけるパン粉の役割
パン粉の種類と選び方
パン粉はグラタンの仕上がりに大きく影響するトッピング材料のひとつです。粗めのパン粉は表面に凹凸ができ、より強いカリッとした食感が楽しめます。
一方、細かいパン粉は焼き色が均一につきやすく、やさしい口当たりになります。好みに応じて使い分けたり、両方をブレンドして独自の食感を演出することも可能です。
乾燥パン粉と生パン粉では風味や仕上がりが異なるため、レシピに合わせた選び方が大切です。
食感を決めるパン粉の重要性
グラタンの魅力の一つである「カリカリの表面」を生み出すのがパン粉です。品質の良いパン粉を使うことで、焼き上がりの香ばしさと食感が格段にアップします。
焼く前にオリーブオイルや溶かしバターをパン粉に絡めておくと、よりきれいな焼き色とサクサク感が得られます。
パン粉の厚みや分布にも注意を払い、均等に振りかけることでムラのない仕上がりになります。
パン粉の代用方法
パン粉が手元にない場合でも、代用できる食材は意外と多くあります。例えばクラッカーを細かく砕いたものは香ばしさがあり、バターとの相性も良好です。
粉チーズをパン粉のように表面にふりかければ、カリッとしつつ濃厚なチーズの風味が加わります。
オートミールを軽く砕いて使えば食物繊維も豊富で、ヘルシー志向の方にもおすすめのアレンジになります。
チーズの選び方
とろけるチーズ vs. 粉チーズ
とろけるチーズはグラタンにクリーミーな口当たりと伸びのあるとろみを加えてくれるため、子どもに人気があります。
チーズの種類によって風味や溶け方が異なり、モッツァレラチーズはとろけやすくマイルドな味わい、チェダーはコクが強く、香ばしさを際立たせます。
一方、粉チーズは焼いたときに香ばしい香りが立ち、表面にパリッとした焼き目がつきやすいのが特徴です。
両方を組み合わせることで、内側のとろけ感と表面の香ばしさを同時に楽しむことができ、より豊かな味わいに仕上がります。
チーズなしで作る方法
アレルギーやカロリー制限がある場合でも、グラタンは工夫次第で美味しく作ることができます。
チーズの代わりに豆乳ソースやオートミール入りのホワイトソースを使えば、ヘルシーながらコクのある仕上がりになります。
パン粉をしっかりと焼き色がつくまでトーストすることで、チーズの代わりに香ばしさや食感を補うことが可能です。
ナッツや砕いたクラッカーをトッピングすることで、アクセントのあるグラタンに仕上げるアイデアもあります。
グラタンのトッピング
パン粉とチーズの組み合わせ
グラタンの仕上がりに大きな影響を与えるのが、パン粉とチーズのトッピングの順番です。カリッとした食感を生み出すには、まずチーズをのせて、その上からパン粉をまんべんなく振りかけるのが基本。
パン粉が表面でカリッと焼き上がり、チーズが中でとろけて一体感のある食感に仕上がります。もし順番を逆にすると、パン粉がチーズに埋もれてしまい、焼き色がつきにくくなります。
パン粉に溶かしバターやオリーブオイルを絡めてからのせると、さらに香ばしさと色づきがよくなります。
おすすめのトッピング材料
トッピングには、味や香りを引き立てるためのさまざまな素材が使えます。パセリは彩りを加えるだけでなく、爽やかな風味がアクセントになります。
ナツメグをほんの少量加えると、ホワイトソースの甘さを引き立てつつ、奥深い香りが楽しめます。ブラックペッパーを仕上げに振りかければ、全体の味が引き締まり、香ばしさが増します。
パン粉に粉チーズや砕いたアーモンドを混ぜると、香ばしさと食感が増してより満足感のある仕上がりになります。
グラタンを美味しく仕上げるポイント
グラタンの焼き方
焼き始めは表面の焼き色よりも中の具材に火が通ることを意識して加熱し、終盤に上火でしっかりと焼き色をつけると、外はカリッと中はとろりとした理想の食感になります。
オーブンから出した直後は非常に熱く、ソースが流れやすいので、5分ほど冷ましてから提供すると味がなじみます。冷ますことでホワイトソースも少し落ち着き、見た目も崩れにくくなります。
焼きあがりの見極め方
焼きあがりのサインは、パン粉がサクサクとしたきつね色になっていることと、表面のチーズがふつふつと泡立っている状態です。
耐熱皿の縁からソースが少しだけ煮立っている様子が見られれば、しっかりと火が通っている合図です。見た目だけでなく香りもチェックしましょう。
香ばしいチーズとパン粉の香りがキッチンに広がっていれば、ちょうどよい焼き加減です。
焼き色を美しくするポイント
グラタンの見た目も美味しさの重要な要素です。美しい焼き色をつけるためには、パン粉の表面にオリーブオイルや溶かしバターを軽くまぶしてから焼くのが効果的です。
パン粉が均等に焼けてきれいなきつね色になります。また、オーブンの上段に配置することで、より強い上火がパン粉に直接当たり、カリッとした焼き上がりになります。
焼きの最後に数分間だけグリル機能を使うことで、表面に香ばしい焼き目をつけることもできます。
お皿に盛り付けるポイント
グラタンは熱々のまま食べる料理ですが、器選びも美味しさに影響します。深めのお皿やグラタン皿を使うと、保温性が高く最後まで温かく食べることができます。
盛り付けの際は、スプーンでそっとすくい取るようにして形を崩さないよう心がけましょう。
トッピングに刻んだパセリやブラックペッパーを少しふりかけると、見た目に彩りが加わり、料理全体の完成度がぐっと高まります。
グラタンの保存方法
冷凍保存と解凍法
作り置きや食べ残しのグラタンは、冷凍保存しておくと忙しい日にも便利です。粗熱をしっかり取ってから、1人分ずつ小分けにしてラップで包み、密閉容器に入れて冷凍庫に入れましょう。
冷凍のまま加熱するのではなく、冷蔵庫で自然解凍してからオーブンで再加熱することで、食感や風味が損なわれにくくなります。冷凍保存の目安は2〜3週間程度で、なるべく早めに使い切るのがおすすめです。
再加熱のポイント
再加熱する際は、電子レンジよりもオーブンを使うほうがベストです。オーブンで加熱することで、表面が再びカリッと仕上がり、グラタン本来の香ばしさや食感が復活します。
もし電子レンジを使う場合は、先に中まで温めた後にトースターで表面を焼くと、手軽にカリッと感を再現できます。
加熱しすぎるとホワイトソースが分離しやすくなるので、加熱時間には注意が必要です。
日持ちするグラタンの作り方
日持ちさせたい場合は、水分をできるだけ抑えたレシピにすることが大切です。ホワイトソースを濃いめに作り、具材の水分をしっかり切ってから加えると、保存中の水っぽさを防げます。
焼き上げた後にしっかり冷ましてから密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存すれば2〜3日は美味しく食べられます。
再加熱時に少量の牛乳や生クリームを加えると、しっとり感を取り戻せてより美味しくいただけます。
まとめ
グラタンは、材料も作り方もとてもシンプルなのに、食べる人の心までほっこりとあたためてくれる、そんな不思議な魅力を持った料理です。
ホワイトソースのやさしい味わい、香ばしいチーズのとろけ感、そしてパン粉のカリッとした食感。一口ごとに感じられるおいしさは、まさに手作りならではの贈りものです。
今回ご紹介したように、グラタンはちょっとしたコツや工夫で、もっと美味しくカリッと仕上げることができます。
