「襟を立てるのって、マナー的にどうなの?」と、ちょっと気になったことはありませんか?
昔は“カッコいい”や“おしゃれ”という印象もあった襟立てスタイル。でも一方で、「威圧的に見える」「ナルシストっぽい」なんて思われてしまうことも……。
そこで今回は、襟を立てるときに気をつけたいマナーや、シーン別のポイントをご紹介していきます。
シーン別:襟を立ててもいい場面・控えるべき場面
ビジネスシーン:清潔感が第一!控えめな印象に
オフィスや商談の場面では、清潔感と落ち着きが求められます。そのため、シャツやブラウスの襟は基本的に寝かせたままの方が安心です。
ただし、コートやジャケットの襟であれば、寒さ対策を理由にやや立てても自然で好印象につながることもあります。
冬の通勤時、風が強い日などは、防寒性と凛とした雰囲気の両立ができるため、適度な襟立てはむしろ印象アップに働くことも。
ただし、室内では元に戻すのがマナーです。社内で襟が立ったままだと「だらしない」「気取っている」と思われてしまう可能性もあるので、TPOを見極めて使い分けましょう。
カジュアルシーン:バランスが整っていればおしゃれに見える
普段の街歩きや休日のお出かけなど、カジュアルシーンでは襟を立てることが自由に楽しめる場面です。例えば、デニムジャケットやポロシャツ、ウールのショートコートなど、立てることでファッションのアクセントになるアイテムは意外と多いものです。
ただし、おしゃれに見せるためには「清潔感」と「バランス感覚」が不可欠です。襟がシワシワだったり、立て方が中途半端だと、かえってだらしなく見えてしまいます。
鏡で全体を確認して「自然に立っているか」「髪型や表情と調和しているか」を意識するだけで、グッと垢抜けた印象に近づけます。
フォーマルな場:基本はNG!
結婚式・お葬式・表彰式など、厳格なドレスコードがあるフォーマルシーンでは、襟を立てるのは避けるのがマナーです。
格式ある場では、控えめで整った服装が求められますので、襟もきちんと寝かせて整えておくことで、上品さや信頼感が伝わります。
和装やフォーマルなスーツスタイルでは、首まわりの乱れが目立ちやすいため、襟のシワや浮きも含めて細やかな配慮が大切です。フォーマル=きちんと感と覚えておくと、迷ったときにも安心です。
デートやプライベート:相手の印象を意識して
好きな人とのデートや、ちょっとしたおしゃれを楽しみたいプライベートな時間では、襟を立てるスタイルも選択肢のひとつになります。
ただし、好印象を狙うなら「さりげなさ」と「清潔感」がキーワード。襟を立てることで大人っぽくスマートな雰囲気になる反面、やりすぎ感が出ると“ナルシストっぽさ”や“キメすぎ感”が出てしまうことも。
相手の好みやシチュエーション(屋外デートなのか、レストランなのかなど)を意識しながら、自然な仕上がりを目指しましょう。デート前に全身鏡でチェックするひと手間が、印象を左右するかもしれませんよ。
好印象を与える襟の立て方
襟の形や素材で印象が変わる
襟の印象は、形や素材によって大きく変わります。たとえば、硬めの襟や厚めのしっかりした生地のシャツは、襟を立てたときにシャープで端正な印象を与えやすく、凛とした大人の雰囲気を演出できます。
一方、やわらかい素材のシャツやニット襟などは、ふんわりとした自然な立ち方になりやすく、ナチュラルでやさしい印象になります。
柔らかいぶん襟のヨレや折れグセがつきやすく、だらしなく見えないようにこまめな整えが必要になります。スタイリング剤やアイロンを活用するなど、素材に合った工夫がポイントです。
また、丸襟(ラウンドカラー)や小ぶりな襟は立てにくい構造になっているものもあるため、「立てやすさ」を事前に確認することも大切です。
襟元を整えるだけで信頼感アップ
人の視線は、顔や首まわりに集中しやすいもの。だからこそ、襟元を整えるだけで全体の印象が引き締まり、清潔感や信頼感を自然と引き出すことができます。
第一印象が大切なビジネスの場面や初対面のシーンでは、襟元が整っているだけで「この人はきちんとしている」「丁寧な人」という好意的な印象を持たれやすくなります。
襟がヨレていたり、シワが寄っていたりすると、それだけで清潔感が半減してしまうため要注意です。
簡単にできる対策としては、軽くスチームをあてたり、外出前に手で形を整えたりするだけでもOK。アイロンを使う場合は、襟の折り目をきれいに整えることで、より端正な印象になります。
シャツだけでなく、コートやジャケットの襟元も同じように気を配ると、より丁寧さが伝わりますよ。
髪型とのバランスも大切に
襟を立てるスタイルは、顔まわりにボリュームが出やすいため、髪型とのバランスがとても重要です。
例えば、ショートヘアやすっきりまとめた髪型なら、襟を立てた時に首まわりがすっきり見え、スマートで洗練された印象を与えることができます。
ポニーテールやシニヨンなど、アップスタイルも相性が良く、全体のシルエットを引き締めてくれます。
一方、ロングヘアで髪が襟にかかってしまうと、せっかく立てた襟がつぶれてしまったり、もたついた印象になってしまうことも。
その場合は、髪を片側に寄せたり、軽くまとめたりして、襟の形がしっかり見えるように工夫してみましょう。
鏡で正面・横・後ろから全体をチェックして、髪と襟が自然になじんでいるか確認することも、印象アップの秘訣ですよ。
襟を立てる際の注意点とNG例
ヨレ・汚れ・やりすぎに注意!
せっかくおしゃれに見せたくて襟を立てたのに、ヨレや汚れが目立ってしまっては逆効果です。白シャツや明るい色のトップスでは、皮脂汚れや汗ジミが目立ちやすいため、日頃からのお手入れがとても大切です。
また、襟をピンと直角に立ててしまうと「気合いが入りすぎてる」とか「やりすぎ感がある」と思われてしまうことも。
あくまで“自然に整える”ことが大切で、無理にクセをつけたり、スプレーなどで固めすぎるのも避けたいところです。
さらに、襟の左右が非対称になっていたり、片方だけ折れていると、だらしない印象につながります。
出かける前に鏡で前・横・後ろのバランスを確認して、左右対称に整っているかをチェックする習慣をつけると安心です。
おすすめは“立ちすぎない自然な立て方”
理想は、ふんわりと立っている程度。襟が自然に首筋に沿って立ち上がり、過度な主張がないバランスがベストです。
ピンと張りすぎてしまう場合は、一度軽く折り返したり、手のひらで軽く押さえたりするとナチュラルな立ち方になります。
素材によっては襟がきれいに立ちにくいものもあるため、立ち具合にこだわりすぎず、「形が整っていればOK」くらいの気持ちで取り入れると気負わずに済みます。
外出中に襟が崩れてきたときは、トイレや鏡の前でさりげなく直す習慣をつけると、常に好印象を保てます。
お手入れも忘れずに
襟元は、顔に近いぶん最も視線が集まりやすいパーツでもあります。だからこそ、定期的なケアが印象アップには欠かせません。
洗濯の際は襟部分に直接アプローチできる部分洗い用洗剤を使ったり、週1回程度の漂白ケアを取り入れるのもおすすめです。
夏場や汗をかきやすい季節は、こまめに洗う、替えのシャツを用意するなど、清潔感を保つ工夫を取り入れましょう。
アイロンがけの際には、襟の先端を軽く立ち上げるように整えておくと、自然な立ち上がりが作りやすくなります。
毎日のお手入れと、出かける前のひと手間。たったそれだけで、襟を立てるスタイルがぐんと好印象へと変わりますよ。
襟を立てることで得られるメリットと注意点
自信を持てる見た目に
襟を立てると、背筋が自然と伸びたように感じられ、姿勢がよく見える効果があります。それによって気持ちもシャキッと引き締まり、ちょっとした場面でも自信を持って行動できるようになることも。
顔まわりがキュッと引き締まって見えるので、小顔効果があるとも言われています。
さらに、姿勢が整うと呼吸も深くなり、気分の安定や集中力アップにつながることも。特に大切なプレゼンや面接の前などに、ちょっと襟を立てて気持ちを引き締めるのもおすすめです。
ビジネスや出会いの場面で印象アップも
「なんだか爽やか」「清潔感がある」「きちんと感がある」といった第一印象は、襟元の整え方ひとつで大きく変わってきます。襟を丁寧に立てるだけで、相手に与える印象はより好意的なものに変わります。
とくに初対面の相手や、好印象を与えたい場面では、襟の形を整えることがちょっとした信頼感や好感度アップにつながります。
ビジネスシーンでは誠実でしっかりした印象に、出会いの場ではきちんと感や大人の魅力をさりげなく演出できますよ。
でも“やりすぎ”には要注意!
とはいえ、襟の立て方には注意も必要です。マナーやTPO(時と場所、場合)に合わない襟立ては、「ナルシストっぽい」「気取っている」「空気が読めていない」といったマイナスイメージを持たれてしまうことも。
きっちりフォーマルな場面で襟をピンと立てていたり、スプレーでガチガチに固めすぎたりすると、不自然さや自己満足感が際立ってしまうことがあります。大切なのは“さりげなく”整えること。
シーンや相手の雰囲気に合わせて、控えめで自然な立ち方を心がけることで、より洗練された印象になりますよ。
襟を立てる?寝かせる?迷った時の判断ポイント
シーン | 襟を立てるのはアリ? |
---|---|
ビジネス(職場) | △(寒い時やコートのみOK) |
カジュアルなお出かけ | ○(おしゃれ目的なら◎) |
フォーマルイベント | ×(きちんと寝かせて) |
デート | △(控えめに、相手の好みによる) |
学校・公的な場 | ×(学生服などは特にNG) |
まとめ
襟を立てるスタイルは、決してNGではありません。でも、それがマナー違反や“浮いた存在”にならないためには、場に合った自然なスタイルと、きちんと整えた襟元がとても大切です。
「この場面で立てても大丈夫かな?」と少しでも不安になったら、まずは鏡でチェック。そして、相手目線を忘れずに。
“ちょっとの気配り”で、あなたの印象はぐんと好転しますよ。